およそ40歳前後を境目にして、
1年で1%ずつ筋力は低下していくといわれています。
そして70歳以降は筋力低下がさらに加速して、
1年で1.5%ずつ低下していくといわれています。
たった「1%」「1.5%」と思われる方もいるかもしれませんが、
40歳から75歳までに「約40%」も減ってしまう計算になります。
例えば、40歳のころは10kgのお米の袋を持てていたのに、
75歳になったら5kgのお米の袋を持つのがやっと、といった感じです。
なぜ、年齢を重ねるに従い、
筋力と筋肉量ともに減っていくのでしょうか?
筋肉(骨格筋)には
大きく分けて二つの種類の筋肉があります。
「速筋」と「遅筋」です。
「速筋」は大きな筋力を出すことできて、
収縮するスピードも速いですが、
持久性に乏しい筋肉です。
「遅筋」は速筋ほど大きな筋力は出せず、
収縮するスピードも遅いですが、
持久力に富んでいて長い時間、筋力を出し続けることができます。
筋力トレーニングで大きくなりやすいのは、
「速筋」です。
ですが、
加齢とともに低下しやすいのも「速筋」です。
「速筋」「遅筋」と同じように、
筋肉を動かす神経(運動神経)にも
「速筋型」と「遅筋型」があります。
筋肉は、良くも悪くも順応性がとても高い組織です。
日ごろから重いものを持ったり、
筋トレをしていれば筋肉は大きくなります。
ですが、
「家でごろごろ」
「仕事が忙しくて運動不足」
「筋トレは嫌い」
などど
筋肉を使わないでいると、
「この人は、大きな力を使わないから、
速筋はなくても良いな」
とカラダが順応して速筋から徐々に減っていきます。
すると面白いことに、
「速筋」がなくなり居場所を失った
「速筋型」の運動神経は、
「遅筋」に引越しをして、
「遅筋型」の運動神経に性質を変えていくのです。
それが続くことによって、
運動不足の人の筋肉はみるみるうちに
「速筋」が減って「遅筋」の比率が増えていき、
大きな筋力を失っていきます。
そうなると、
いざ、横断歩道を走って渡ろうとしたり、
階段でつまづきそうになって踏ん張ろうとしたときなどに
大きな筋力を出せずに関節を痛めたり、
骨折したりするのです。
では、
加齢とともに「速筋」の減少を防止するためには、
どのようにすれば良いでしょうか?
続きはまた次回に。
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